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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第3章 ボクらの記憶




彼女が戻ってきたこと、かつ入院した事は瞬く間に広がった

1つ目はTVや新聞等、歩道橋から人が落ちた。と言うことで苗字の名前が小さく載った
しかし小さくても見ている人も聞いている人も反応するようで、彼らは苗字の存在をすぐ脳内から取り戻した

2つ目は某無料でチャットや通話ができるアプリである。帝光で苗字と被っていた生徒から帝光バスケ部OBグループで「苗字さん大丈夫なんですか?」と声が出て、それからすぐに元帝光生徒から何だかんだで慕われていた苗字の入院は先輩から後輩まで、ものすごい速さで広まっていった


それと同様の理由で、苗字の存在を知る人物からはやはり心配する声まであがり、他校の先輩後輩、はたまた同学年の生徒に広まった

たくさんの人が彼女の病室に訪れる中、彼女の下にはもちろんキセキの世代や誠凛バスケ部、はたまた他校やら後輩までたくさんの人が面会に来ていた




「…おはよう名前」



中でも赤司は、苗字が眠っている部屋に必ず1時間以上、滞在していた
1日は24時間しかなく、彼は何だかんだ忙しいのにわざわざ時間を割いてまで来ているのである

昼間とれない場合には彼女の母親からの特別な許可を得て朝、もしくは夜に来ているのである
それは昨日も今日も、恐らく明日も同じ

そんな彼女の部屋に花束等お見舞いの品は絶えず、また赤司も毎日の必ず花を持ってくるからむしろ増えていく一方である

それでも彼女は起きる気配はないに等しく、もし起きたとしても赤司がいる時間に彼女が目覚める可能性は24分の1と少々少ない



「お前の寝ている姿を見ると今にも消えそうで、離れたくないな…」



そう言った彼は今日持ってきた花を花瓶にいれるついでに、水を部屋に備え付けられている洗面器の水道で変え、窓辺に置いた
先程まで飾られていた花は今までの花を飾っていた花瓶に入れ、彼はゆっくりと椅子に座った

彼女の身体は特に異常はなく、強いて言えば歩道橋が落ちた。という事になっていることから相変わらず包帯が巻かれている程度だった

本当に何も異常が見えない彼女は今すぐにでも起きそうなのに、誰が来ても、彼がどれだけ話しかけても目を覚まさないのだ






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