第13章 夏祭り 後編
彼らと着いたのは苗字にはあまり馴染みのない公園だったが、なぜだか懐かしい気持ちがする
そんな気持ちに浸っていると、既に花火に火をつけている人が1人現れる
「見ろ!これ1番でかい花火!」
来て早々火神は花火に火をつけている。手筒花火と言われている、大きめのサイズの花火
彼の持つ筒の先から1mぐらいの花火が吹き出てきている
それに対抗して青峰が同じ花火に火を付けようとしており、苗字が危険を察知して少し後ずさると、黒子が花火をとりあえず1本と差し出してきた
「すみません最初に選んでもらおうと思ったんですが、大きいのは火神君と青峰君に最初に奪われてしまって」
『私は普通のでいいから大丈夫だよ。火傷しそうだし』
「そうですね、手元と煙に気をつけてください」
彼から一般的に有名なススキ花火を1本受け取って、火をどこから貰おうかと悩んでいると高尾が同じススキ花火を持って手を振っている
「名前ちゃん、火取り来いよー!」
『うん!もらうー!』
「黄瀬ちんみて、花火3本持ちー」
「待ってめっちゃあぶないんスけど!こっち来ないで危ないっス!
助けて緑間っちー!!」
「こっちに来るな巻き込まれるのだよ!」
ススキ花火を3本持って黄瀬に迫り行く姿に、苗字の頭がまた重くなる
その理由はもうさすがに彼女もわかっている
「真ちゃんが振り回されてる姿おっもしれー」
「いや高尾君あれかなり危ないよ」
「良い子は真似すんなってやつ」
『…なんにしても花火持って人追いかけるのは危ないよ』
高尾から火を貰った花火は少しづつ光が零れ出す。だんだん勢いをましいき色が変わる
色が変わっていく様子を見るのは楽しかったが、あっという間に花火は消えてしまった