第12章 夏祭り 前編

誠凛のレジャーシートから離れ、焼き鳥でだいぶお腹が満たされてきたので「そろそろデザート食べたい」と提案をする桃井
しかし食べ盛りで特によく食べる1部の男たちに何言ってんだという顔をされてしまう


「あ？まだ足りねぇだろケバブ食いてぇ」

「青峰、お前の胃と一緒にするな」

「でもオレチョコバナナとベビーカステラとたい焼きとー、焼きとうもろこし食べたーい」

「焼きとうもろこしはデザート…っスか？」

「気にしたら負けなのだよ」

「名前ちゃんは？なんか食べたいのある？」

『うーん…みんなが食べるの見てから考えようかな』

「ちょうど先にチョコバナナの屋台が見える。向かおうか」


赤司に先導されて向かうとミルクチョコレートだけでなく苺味のチョコがかかったものが売っており、チョコスプレーが散りばめられてて綺麗な品が並んでいた

それを紫原は「とりあえず1本」とよく見るチョコレート味のを手に取って食べ始める

美味しそうに食べる紫原を見ていると、ぬっと横に最近はやりのヒーローのお面をかぶったでかい人が現れた


「おお美味そうだなそれ」

「…誰」

「おお悪い､さっき貰ったお面付けっぱなしだったよ
通りで息もしづらいし視界も狭いと思った」


ふぅ、と溜め息を吐きながら赤いヒーローのお面を外すと人が良さそう。という第一印象が浮かぶ顔の男が出てくる


「木吉センパイ！」

「いやこんなことするやつ木吉しかいないでしょ」

「先輩達が探してましたよ」

「いや猫がいたからなぁ、潰されちゃまずいと思って移動させたら伊月達が居なくなっててなー
あいつらどこいったんだ？」

「いや木吉サンが迷子なんじゃないっスかねぇ」

「おお黄瀬、相変わらず男前だな」

「そっスかぁ？！当たり前っスよ！」

『木吉先輩が持ってるの、なんですか？』

「これか！？ぶどう飴だ！
本当は黒飴が良かったんだけどなあ、無くてぶどうにした！」

「真ちゃんオレどっからツッこんでいい？」

「何もしなくていいのだよ」