第12章 夏祭り 前編
先程須佐に教えてもらった場所に向かいたい旨を黒子が伝えるとそう遠くは無いからと快諾して貰えた
緑間が観覧ブースで2人の姿を見つけると、黒子が日向の後ろに立つ
「日向先輩」
「おわっ…!黒子!!」
「お疲れ様…ってなんか、すごいメンバーね」
『お疲れ様です』
「どうも」
「これでも3人減らしてきたんスけどねー」
「たしかに、火神と青峰と…紫原がいねぇな」
「焼き鳥買いに行ってます」
このやり取りはデジャヴかと一瞬思うが、同じやり取りをしたばかりだ
そんな思考は放っておき、広いレジャーシートには日向と相田の2人だけなのでNAME2#が首を傾げる
『伊月さん達は、戻ってきてないんすか?』
「ああ、さっき戻ると言っていたな」
「木吉のアホのせいでろくに買い出しできてないんだろ」
「ほんっとに鉄平は昔から変わんないんだから」
溜め息を吐き頭を抱える2人の姿は黒子が高校時代によく見てきた姿だった
「何突っ立ってんだ座れよ」
「そうよ!疲れたでしょー?なんか飲む?」
「酒はねぇぞ」
「オレたちまだ未成年なんで貰っても困りますね」
「でもオレと桃っちと緑間っちは来年の今頃には飲めるっスよ!」
「今飲んだらだめだって意味なのだよバカめ」
「バニラシェイクもねぇぞ」
「ある方がびっくりです」
そんなこんなで飲み物片手に話をしていると黒子のスマホに火神から電話がかかってきたのでどこにいるかを連絡すると、3人とも両手に大量の焼き鳥が入った袋を撮って現れた
「主将!お疲れ様です!」
「おお火神、お疲れ!」
「なんか今吉さんが金出してくれました」
「まあまあ、オレのおかげってことだな」
「…この量、相当な金額だったんじゃないの」
「なんかあの人、儲けてるからまかせや~って言ってた
買ってくれたからオレすき~」
「紫原めっちゃ現金なヤツだな」
「ムッくんお菓子あげれば懐くからね…人にもよるけど」
桃井はそう言いながら青峰から大量の焼き鳥を受け取り慣れた手つきでパックを回していく
1パック何本入ってるかは分からないが、100本以上あるんだはないだろうか
それとは別に紫原が1パック完食しており相田はいつぞやの火神の食べ過ぎによる部費調達のことを思い出していた