第3章 ボクらの記憶
「名前ち「名前っちは!?」」
「…ちょっと黄瀬ちーん、被せないでよ~」
「だって名前っちが戻ってきたって…それにオレ、謝らないと…!」
焦っている黄瀬に赤司は「落ち着け黄瀬」と言って溜め息を吐き、椅子から立ち上がって彼らから彼女を見えるようにした
すると彼女を見た彼らは目を見開いてから、ゆっくりと笑みを浮かべた
「歩道橋から落ちるとか、どんだけどんくさいわけ~?」
「お前の運動神経なら着地ぐれー楽々だろうが」
「寝てるお前の姿を見るのは…好きじゃないのだよ」
「戻ってきて、くれたんだ…」
そう口々に言った彼らは彼女の近くに駆け寄った
中には涙を流している人もおり、赤司と黒子は彼らを見て微笑みを浮かべた
それを聞いた彼らは寝ている苗字が身体は包帯が巻かれ、頭にも同じように痛々しく包帯が巻かれてるのを確認して心配そうに見つめた
「歩道橋から落ちるなんて、一歩間違えば死亡事故なのだよ…」とポツリ呟いた緑間はそっと彼女から視線を逸らし、黒子を見た
「黒子、お前苗字がどれくらいの高さから落ちたか知ってるか」
「…警察の方が目撃者から聞いた話だと、そこまで高い位置ではなかったそうです
落ちた所は不幸中の幸いで植え込みで、さらに無意識なのか受身を取っていたそうで、頭も見た目程外傷がなく、身体もちゃんと治療すれば治ると雪さんが言っていました
ただ…少し傷が…大きくて」
その話を聞いた緑間は眉間に寄せていた皺を消し、ほっとしたように溜め息を吐いた