第3章 ボクらの記憶
第3者side
黒子がまた警察へ説明を終え、キセキの世代や桃井、火神への連絡を終えて雪へ同じような説明をすると、彼女は「面会なら大丈夫よ」と言って苗字の病室の番号を教えた
教えられた部屋を開けて中へ入ると赤司が彼女のベッドの近くにある椅子に座って、彼女の髪を撫でていた
「赤司君、意外と早かったですね」
「黒子か、用事があったんだが…車をとばして来たよ」
「お父さんから怒られませんか?」
「問題ない」
「…そうですか」
彼の様子を見た黒子は赤司に「思い出したんですか?」と問いかけて見ると、彼は苗字の事を見ながら「…ああ」と返事をしてから振り向き、黒子に視線を移して「名前を見た時にね、思い出したんだ」と笑った
それに黒子は目を見開いてからフッと笑って、赤司の近くに椅子を置いた
彼女を見た黒子は目を見開いてから目を瞑って彼女の髪を一房手にとった
そして悲しそうに笑うと後ろのドアが開き、やけに背のでかい見慣れた彼らとその中でただ1人小さめである彼女が桃色の髪を揺らしながら息を切らしていた
「名前ちゃん!!」
「…名前」
「…」
「おす」
「よう」
「桃井、青峰、緑間、火神」
「紫原君と黄瀬君は一緒じゃないんですか?」
「雪さんに捕まったのだよ」
「相変わらずパワフルだなあの人」
「…おまえら、記憶が」
「戻った。さっきな」
青峰の言葉には後ろにいた緑間もコクリと頷いてから「黄瀬と紫原も戻ってるのだよ」と言いながら眼鏡のブリッジをあげ、笑った
そんな彼らの後ろからドタバタと廊下を走る音がして、バンッと大きな音がすると紫原と黄瀬が病室の中に息を切らしながら入ってきた