第4章 ~OSHITARI KENYA~
「ご、ごめんね侑士...」
「まぁええわ、ちょっとコイツ借りるから」
そう言うと侑士は謙也の肩を抱いて声の届かない所まで移動する
「な、なんやねん侑士っ」
「で?ヘタレな謙也クンは落ち着いた?」
「オマエ...どっから見とった」
「さぁ?でもまさか謙也がオレのコトカッコいい思うてたんは初耳やったなー、いつもどっちがイケメンかでケンカしよるのに」
「最初っから見とるやないかっっ///」
「オマエがそんなん気にするなんて珍しいな?そんなにが好きか」
「なっっっ!?」
「最初からバレバレや、そんで初対面なのに馴れ馴れしいオレに腹立っっとったんやろ?ホンマそういうトコ餓鬼やん」
「せ、せやかてオマエにオレの気持ちが解るんか!?」
謙也は怒鳴ると侑士を振り払い向き直る
「身近に美形がいるせいでそこそこイケてるはずのオレがフツメンと化すこの状況!!」
「うわ、しれっとイケメン宣言しよった」
「昔からそうやったわ、オレが好きになる子はみーんな侑士いきよった!!今でもそうやっ白石や財前やオレの周りにはイケメンばっかり集まるという恐怖....」
「お、オマエもモテとったで?よ...幼稚園とか...」
「うっさいッ!!!せやかて性格やてオマエらんが大人っぽいし...」
「謙也、オレとオマエはちゃうやろ?少なくともあの子は...解っとるんやない?」
振りかえると心配そうにこちらを眺めているが見える
「....さっき言われたわ、オレ...アホやった」
「せやな、あんな可愛え子に当たり散らして...嫌われるでー?」
「アカン!!はよ挽回せんとアカンっちゅー話やっ!!」
謙也は走っての元に走っていく
その姿を見て侑士はふっと笑みを浮かべた
「ホンマに...羨ましいわ」
本気の恋が出来て羨ましいわ