第8章 【BAD END】
徐々に白熱する口喧嘩を止めさせたのは、なんとパーバティだった。2人の下らない言い合いについに堪忍袋の尾が耐え切れなくなったらしく、大広間で明るくお喋りしていた時とはうって変わり、険しい表情でクリスとグレンジャーを睨みつけている。
「私もラベンダーも疲れてるの、それなのに部屋に付いて早々喧嘩なんかされたらこっちが迷惑だわ。ここはあなた達2人だけの部屋じゃないのよ、喧嘩するなら外でやって頂戴!」
尤もな彼女の言い分に、クリスもグレンジャーも何も言い返せずただ黙って俯いた。パーバティは2人が大人しくなったと分かると眉間のしわを緩め、「それでいいのよ」とため息交じりに一言だけ言い残すと、一人寝巻きに着替えるとさっさとベッドに入ってしまった。
「今日はもう遅いし、疲れてるでしょう?私達も寝ましょうよ」
「そうだな。ラベンダー、パーバティ、騒がしくしてすまなかったな」
「ご免なさいね2人とも、今後は気をつけるわ」
せっかくのラベンダーの仲裁もむなしく、クリスもグレンジャーもお互い一目もくれず自分のベッドに入った。
最後の最後で起こったグレンジャーとの一戦であまりにも腹が立ちすぎて、いつものように杖を抱いて気持ちを静めようとしても効果は得られず、クリスは記念すべきホグワーツでの一夜を最悪の気分でしめることになった。