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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第34章 【7つの関門を突破せよ】


 意を決して飛び降りたが、クリスハーマイオニーもまるで生きた心地がしなかった。足場は真っ暗で全く見えないし、胃が浮くような特有の浮遊感が怖いし気持ち悪い。おまけにいつまで経っても地面にたどり着かず、ハーマイオニーと手を取り合ったまま本当にスネイプのところに化けてでる破目になるんじゃないかと思ったその時、まるでトランポリンの上を弾むように体がバウンドした。

「うわあっ」
「きゃああ!」
「うわああああ!」

 2人の声に混じって、ロンの叫び声が聞こえた。どうやらロンのすぐ脇に落ちてきたらしい。

「頼むから、降って来るならせめて一人ずつにしてくれよ」
「ごめんなさい、でも悪気があってやったわけじゃないわよ」

 勢い良く飛び降りた先でロンを下敷きにしかけた事以外、クリスもハーマイオニーもなんとか無事に着地する事ができた。上を見上げると、降りてきた仕掛け扉が親指ほどの大きさにしか見えず、今思い返してもよく飛び降りられたものだと感心する。

「……あそこから飛び降りて来たのよね、私達」
「ああ、死ぬかと思ったよ」
「それはこっちに台詞だよ。……どうして女の子って何でも一人でやろうとしないんだろう」
「まあまあ。とにかく、誰もケガがなくてよかったじゃないか」

 上から何十メートルも落下したのにケガ一つなかったのは、大きな植物が衝撃を和らげてくれたおかげだろう。辺りは真っ暗でほとんど何も見えなかったが、手で触った時の感触と、濃い緑の匂いで自分達が植物の上に立っていることだけは分かった。

「どうやら学校の地下みたいだね。窓が一つもないし、それに妙に湿っぽい」
「とにかく明かりを点けましょう。ルーモス!」

 ハーマイオニーが杖明かりをつけても、やっとみんなの顔が見えただけで、部屋全体を照らすことはできなかった。それでもさっきまでは声だけが頼りだったので、なんとなく心強い。

「よーし、それじゃあ皆で道を探そ――うわっ!」

 歩き出そうとした矢先に、ハリーがこけた。ハーマイオニーが明かりを差向けると、なんと植物のツルが、ハリーの足に絡み付いている。しかも良く見るとハリーだけではない。ロンも、クリスも、ハーマイオニーの足にもいつの間にか同じツルがからみつき、徐々に上へ上へと上ってきている。
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