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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第26章 【大乱闘Hブラザーズ】


 それまで壮絶な殴り合いをしていた少年達も、突然の出来事に自分達が喧嘩をしていたことすら忘れて放心状態で立ち尽くすばかりだった。

 熱狂する観戦席の中で、ここだけが本当に別世界のように違う空気がながれていた。誰もが呆然とする中で、一番初めに我を取り戻したのはネビルだった。

「あ……あああぁ、クリス…ごめん。ぼく……ぼく、そんな――」

 その時ネビルが何て言おうと思っていたのか分からなかった。最後まで言い切る前に、ネビルの体は2メートルも横に吹っ飛ばされていたのだ。驚いて目を見張るクリスの前に、鼻血を流したドラコが今までに見たことないほど眉間を寄せてクリスを見つめていた。

「……クリスッ!だいじょうっ――」

 またしても最後まで言い切る前に、ドラコの体がクリスの目の前からフェードアウトして消えてしまった。一瞬の隙をつき、ロンの渾身の右ストレートが見事ドラコのあごを捕らえたのだった。

「決ぃまっったあぁーー!!優勝は、グリフィンドールッ!!」

 熱狂と興奮の歓声が沸きあがる観客席の一角で、ロンは太陽に向かって拳を高々と突き上げると、咆えるような勝どきを上げた。
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