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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第25章 【覚悟完了!】


 ジョージが熱のこもった瞳でハリーの瞳を見返した。それはいつも熱心に作戦を説き聞かせるウッドと同じものだった。しょっちゅうふざけてはウッドに怒られている2人だが、クィディッチを好きな気持ちだけは正真正銘の本物だ。全力を出し切って負けるならまだしも、たった一人の為に試合で負ける気なんて全くない。2人の眼差しはそう言っていた。

「ほらハリー、言ってみろよ」
「……クィディッチで勝つ」
「その通り。その次のことは自分で好きに決めろよ。クリスを殴るも許すも君の自由だ」
「なっ殴るなんて、そんなこと僕にはできないよ!」
「なんだよ、じゃあもう答えは決まっってるじゃないか」

 とっさに口から出た言葉だったが、声に出しただけで、ハリーは目の前の霧が一気に晴れていくようだった。――そうだ、難しく考える事なんてない、初めから答えなんて決まっているんだ。憎めないなら、許せばいい。それだけだ。

 ハリーは生唾を飲み込み、ギュッと箒を握り締めた。その顔にもう迷いは無い。フレッドとジョージは顔を見合わせて満足そうにニッと口角を上げた。これでこそ苦労の甲斐があったというものだ。

「行こう、フレッド、ジョージ!会場の皆に天才シーカーの実力を見せてやらなくちゃ」

 その胸に、もう覚悟は決まっていた。まずは試合に勝つ、その後で、クリスに会いに行こうと――
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