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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第24章 【かすでんな はみぞの のみき】


【第24話】

 このことに関して、彼らと自分との間には多少の温度差がある事は薄々気づいていた。しかし、まさかこうもその差があるとは、クリスは思ってもいなかった。

「なにぃ?それじゃあ休暇中、ニコラス・フラメルの事を調べようともしなかったのか。折角そんな便利なものを貰ったのに!?」

 クリスマス休暇が終わり、生徒がホグワーツに戻ってくると、談話室は久々に顔を合わせた友人との楽しいお喋りで盛り上がる。それはクリス達とて例外ではない。あちらこちらで、やれ旅行だやれ豪華なプレゼントだのの話が飛び交う中、休暇中のハリー達の行動を聞いて、クリスが呆れたような声を出した。

「いや、でも……最初の夜はちゃんと図書館に行ったよ?」
「でも、それ以降は全然行ってなかったんだろう?」
「あ~、えーっと……うん。あはは……」

 そう言うと、ハリーはばつが悪そうに苦笑いを浮かべた。

 話のあらましはこうだ。クリスマスの朝、ハリーの下に届けられたプレゼントの中に、姿を見えなくするという世にも貴重な『透明マント』が送られてきた。どうやらそれは、以前はハリーの父親の物だったのが、名も知らぬ足長おじさんの手によってハリーの元に戻されたらしい。
 そしてハリーはそれを使って、ロンと一緒に夜な夜なベッドを抜け出しては深夜のお散歩と洒落込んでいたというのだ。当然それはハリーの物なのだから、本人がどう使おうと勝手なのだが――人がこの休暇中色々な手を使って情報を集めていたのに――そんな便利なものを夜中に城を徘徊する為だけに使っていたと言うのはあまりにお粗末だ。
 ハーマイオニーもこの意見には概ね賛成らしく、クリスと口をそろえて「だったら閲覧禁止の棚に行けばよかったのに」と言うと、ハリーはやけにしゅんとしてしまった。それを見てロンが口をはさんだ。

「2人ともそう言うなよ、だってせっかくのクリスマスだったんだぜ?図書館に通いつめるほうがどうにかしてるよ」
「あら、私は私なりに少しでもニコラス・フラメルの情報を集めようと、フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店に通いつめたわよ」
「私も家の書斎に入り浸りだったな。そしてちゃんと見つけてきたぞ」
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