第19章 【クィディッチ】
「……ハグリッド、僕達見ちゃったんだよ。ハロウィーンの日に、スネイプが4階の禁じられた部屋に続く階段を昇っていくのを。そして三頭犬に噛まれた傷も見たんだ」
「何だって!お前ぇさん達フラッフィーの事まで知っとるのか!?」
「「「「フラッフィー!?」」」」
4人が声をそろえると、ハグリッドは慌てて口を押えた。
「どうしてハグリッドはあの犬の事を知ってるの?」
「どうしてって……そりゃあの犬は、俺がダンブルドア先生にお貸しなさったからだ。校長先生がアレを守るためにフラッフィーが必要だと……」
「「「「アレ!!?」」」」
またも4人が声をそろえると、ついにハグリッドは机の上に突っ伏してしまった。
「もう、もうこれ以上は聞かんでくれ。とっても重大な秘密なんだ」
「でもスネイプが三頭犬の裏をかいてアレを盗もうとしてるんだ!」
「そりゃあ無ぇ、絶対にそんな訳が無ぇ!」
「でもスネイプはハリーの箒に呪いをかけていたわ、私ハッキリ間近で見たんだから!」
「何かの見間違いだ、あれはきっと事故だったんだ。ほれ、前にスリザリンの生徒が――」
「ニンバスはちょっとやそっとで壊れる箒じゃない、そう言ったのは他でもないハグリッドだ!」
ロン、ハーマイオニー、クリスが畳み掛ける様に言葉攻めにすると、ハグリッドは「むむむ…」と唸って髪の毛をかき混ぜた。そして頑なに黙秘を通そうとするハグリッドに、ハリーがトドメの1発を放った。
「ハグリッド、僕は殺されかけたんだ。もう少しで箒から振り落とされるところだったんだよ。……呪いをかけられた僕自身が言ってるんだ。あいつはあの部屋にある物を手に入れるためなら、人だって殺すやつなんだ、間違いない!」
「だから、そんな訳が無え!ハリーの箒の事は俺には分からん、しかしスネイプ先生は生徒を殺したり、ダンブルドア先生が守っている物に手を出したりするような人じゃ無い。……もうこの事は忘れるんだ、な? お前さん達はもう十分余計な事に首を突っ込み過ぎてる。アレはお前さん達が思ってるよりももっと重大なものなんだ。だからニコラス・フラメルがダンブルドア先生に頼んで――」
「「「「ニコラス・フラメル!!!!!?」」」」
4人が声をそろえて叫ぶと、ハグリッドは自分の頭を机に打ちつけた。