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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第18章 【生徒は見た!】


 ハーマイオニーと仲良くなったのを誰よりも喜んだのはハリーだろう。11月に入るとクィディッチの練習は益々厳しくなり、ハリーはとてもじゃないがハーマイオニー抜きで宿題をこなすのが困難になってきていた。
 それに便乗してロンもしょっちゅうハーマイオニーに宿題を見てもらっていて、彼女もそれについては快く引き受けたが、断固として宿題の丸写しだけは認めなかった。ハロウィーンの晩以来、彼女も随分と丸くなったがこればっかりは譲れないらしい。しかし宿題を見てもらえば、結局は最後に正しい答えを教えてもらえるのを2人は良く知っていた。
 
 そんな彼らに対し、クリスだけはいつも自分の力で宿題をこなすようにしていた。友人と言えど、やたら無闇に他人に頼るのは好きではないし、何より“召喚術を使いこなすためには、魔法も学ばなければならない”という父の言葉を、この間の手紙でやっと思い出したからという理由もある。
そのため、クリスはこれまで半ば適当にこなしていた宿題も丁寧に仕上げるようになった。

 しかしその所為でクリスの宿題は他の2人よりも時間がかかり、結局三頭犬が何を守っているのかなんて調べる暇が無くなった。机に向かって羊皮紙と睨めっこ、それが毎日毎日続いた。

「…………………」
「クリス、分からないんだったらハーマイオニーに聞けばいいじゃないか」

 この日も机に向かったままかれこれ30分も羊皮紙を睨み付けているクリスに、ロンが呆れ気味に話しかけた。そう言う彼は今しがた宿題を終え、ハーマイオニーに最後の見直しをお願いしている最中である。

「意地張るなよ、そんなんじゃいつまで経っても終わらないぜ?」
「それは逆だな、ロン。貴重な時間を使っているからこそ、少しでも身に付けなきゃ損だろう?」
「クリスの言う通りよ、あなたはもう少し自分で考えた方がいいわね。ここなんて、こんなに間違ってるもの」

 ハーマイオニーから小言と一緒に修正だらけのレポートを渡されると、ロンは口の中でもごもごと文句を言いながらも、新しい羊皮紙に清書を始めた。

「クリスは?どこまで終わったの?」
「ゴブリン弾圧事件まで」
「そじゃあ、あと少しで終わりね」
「そのあと少しが厄介なんだ。……ノートに何か書いていたかな」
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