• テキストサイズ

ハリー・ポッターと小さな召喚士

第16章 【ウィンガーディアム・レヴィオーサ】


 気絶したトロールを前に、喜ぶ気力すら残っていなかった。4人はお互いの無事を確かめ合うように顔を見合わせると、力なくその場に座りこんだ。

 ふと、クリスとグレンジャーはお互いいつまでも抱きしめあっているのに気が付くと、慌てて体を離した。しかしいくら夢中だったとはいえ、どうして身を盾にしてまでグレンジャーを庇ってしまったのか。罪悪感の一言だけでは何か足りない気もするが、これはこれで悪い気はしない。クリスは横目でグレンジャーの顔を覗うと、つい緩む口元をさりげなく指で隠した。


「これは――いったい、何ということです……っ!」

 しかしいつもの通り、事件はこれで無事解決、という訳にはいかなかった。いつの間にか騒ぎを聞きつけてやってきた教師陣がトイレの入口に立ち並び、気を失って倒れているトロールとその周りにへたりこむクリス達4人の姿を、驚きと憤怒の表情でしっかりと見据えていた。
/ 375ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp