第2章 あなたと永遠に……2
「これからしばらくの間お世話になります」
広間に案内された私は、脇息にもたれてお酒を吞んでいる謙信様に深々と頭をさげていた。
「……好きにするがよい」
興味なさげに返事をすると黙って盃を口に運んで、私を見ようともしない。
さっき会った信玄様や幸村さんは、もっと優しく接してくれたのに。
挨拶をすましたからもういいよね?
(佐助くんが急用が出来てこの場にいないから会話が続かないし、気まずい)
立ち上がろうとしたら
「お前は佐助のどこが気に入っているのだ?」
「佐助くん……? ですか?」
突然佐助くんの話を振られて吃驚してしまう。
「時を超えて佐助に会いに来たのであろう?」
「そういうわけではないですよ……偶然この時代に来ただけです」
「偶然? 世の理には偶然などない。すべての出来事には理由がある」
「じゃあどうして?私がこの時代に?」
「そんな事、俺が知るか__
下がってよいぞ」
またも頭が混乱してきちゃったよ
言いたい事を言った謙信様は、もはや私のことなんか眼中にないみたい。
これ以上此処にいても解決するわけでもないし、ため息をひとつ漏らして私は広間を出ようとしたら
「っ……」
誰かにぶつかってしまったみたい。
「すみませ……?!」
腰のあたりに柔らかな手のぬくもり
え?
手のぬくもり?!
「また会えて嬉しいよ」
「また会えて嬉しいって……おんなじ城に住んでるんだから会うのは当たり前じゃん」
にこにこと嬉しそうに微笑む信玄様とあきれ顔の幸村さん