第20章 あなたと永遠に……14
「いゃぁああああ-!!!」
「かおるさん?!どうしたの?!」
「やだっ……どうして? どうして私が謙信様を?」
身体の震えが止まらない。
手のひらを見ると紅く血に染まっている。
「どうして? なぜ?」
「かおるさん! しっかりして!!」
肩を強く掴まれ激しく揺さぶられても私は現実に戻れないでいた。
佐助くんの声は聞こえているけど、その声に反応しようともしない。
「かおるさん!!」
「やだよ……」
「かおるさん!!」
私を強く抱きしめているのは誰?
規則正しい心臓の音が聞こえてくる。
落ち着いた声が私の名前を呼ぶ。
「かおるさん……大丈夫だ。悪い夢を見ただけだよ」
「佐助……くん?」
「もう大丈夫だから」
「うん……」
「ゆっくりと目を閉じて俺の心臓の音を聞いて」
「うん」
心臓の音に合わせるように深呼吸をしていくと、身体の震えも治まってきた。
「……ありがとう、佐助くん」
「落ち着いた?」
「うん」
ゆっくりと佐助くんから身体を離して周りを見渡すと私は自分の部屋にいた。
恐る恐る手のひらを見てみると血に染まってなんかいなかった。
「夢……?」