第15章 あなたと永遠に……10
「かおるさん!!落ち着いて……深呼吸をして」
「ふっ……ハァ……」
苦しくて佐助くんの腕に爪を立ててしまうけど、ごめんね、佐助くん。力を抜く事が出来ないよ
「ほら……一緒に……吸って……吐いて……」
「スゥー……ハー……っ……」
「ゆっくりで良いんだ……ゆっくりと……吸って……吐いて……」
「ス、スー……ッ……ハー……」
佐助くんの声に合わせて深呼吸をしていくと少しずつだけど呼吸が楽になってきた気がする。
佐助くんは、私が不安になったりパニックになったりすると上手く呼吸が出来なくなるのを知っている
(何度か佐助くんの目の前で呼吸困難になってしまった事もあるし)
だから、対処の仕方も心得ているので安心して佐助くんに合わせられる。
「はい、お水を飲んで」
「ありがとう」
呼吸がだいぶ楽になったところで佐助くんがお水の入った湯呑みを渡してくれたので、ゆっくりと水を流し込んでいく。
「もう大丈夫そうかな?」
「うん」
「かおるさんは、具合が悪くて寝ていたんだろう?
早く休んだ方がいい」
「風邪は良くなったんだよ」
「そうなのかい?」
「うん。だから、謙信様に食事の用意を……と思って……ねぇ……佐助くん」
「なんだい?」
「……いくさが始まるの?」