第15章 あなたと永遠に……10
元気になった私は、落ち着いて寝ていられなくて布団を抜け出して台所へと向かった
出来る限り謙信様には私の手料理を食べてもらいたい
わりと小食というか、食べる事よりもお酒を飲んでいる事のが多いんだもの
(身体に絶対によくないと思う)
台所で料理をしていると話し声が聞こえてきて、耳をすましていると
「やはり戦になるのだろうな」
(いくさ?)
「心配することはあるまい。こちらには軍神様がついておられるからな」
(軍神様って?)
「そうだ!!たとえ、第六天魔王が相手だとしても勝つに決まっている」
(第六天魔王って?)
分かるようなわからない言葉に頭の中が混乱してくるけど、よくない事が起こるのは想像できた。
いくさ……?
いくさが始まるの?
どうしようもないくらいに不安になってしまう
心臓が激しく動きはじめてしまう
いくさが始まったら謙信様はどうするのかしら?
まさか……戦場に行くなんてことはないよね?
もし、そうなったとしたら?
心臓がドクドクと音をたて不安になっている心を煽っていくみたい
落ち着かせようと胸に手を押し当てるけど、呼吸が荒くなっていく。
息がうまく吸えない
「っ……ハァ……ハァハァ」
どうしよう?!
息が吸えない……苦しくなっていく
上手く空気を取り込む事が出来なくて、金魚のように口だけがパクパクと動くだけ
「かおるさん? どうしたの?」
「……ハァ……さ……佐助……くんっ」
「!!」