第13章 あなたと永遠に……8
謙信様と結ばれてから私と謙信様はいつも一緒にいる。
何処に行くのも一緒。
(軍議の時もお傍近くにいるし、お風呂も一緒。
さすがにトイレまで付いてきた時は、怒ったけど)
最初の印象は冷たい人だと思っていたけど、情を交わすと全然違う。
この前も___
「かおる、俺から離れて何処に行くつもりだ?」
「台所へ……」
「何をするつもりだ?」
あからさまに不機嫌な顔をする謙信様が、なんだか可愛いくてつい、笑みがこぼれてしまう。
「食事の支度ですよ」
「食事なら他の者が作っているであろう。かおるの白魚のような綺麗な手が荒れるのは見たくない」
ちゅっ……と音をたて私の手の甲にキスを落とされただけで、私は馬鹿みたいに心臓を跳ね上がらせてしまう。
「私が謙信様のために食事を作りたいんです」
好きな人のために何かしたい
喜ぶ顔が見たいって思うのは普通よね
「では俺も手伝うとするか……大切なかおるが、包丁で指でも切ったら大変だからな」
「ふふっ……大丈夫ですよ一応、料理は得意なので」
やんわりと断ると拗ねた顔をして背中から私を抱きしめて
「俺から離れるのは赦さん」
まるで小さな子供みたいが駄々をこねるみたいな言い方に胸が擽られてしまう。