第13章 あなたと永遠に……8
「んっ……ぁ……」
「朝からそんな色香を放つとはな……」
「謙信様のせいですっ……」
胸が焦がれるような熱いキスを受けていた私の身体は蕩けてしまうんじゃないかって思うくらいに熱を帯びてしまっている。
「ならもうかおるには口付けをするのをやめるか」
「え?」
それは嫌かも
謙信様とキスをするのは嫌じゃないもの
ただ……頭が惚けて困るだけだし
「ひゃんっ……!」
前触れもなく私の耳たぶを甘噛みされて身体が跳ね上がってしまう。
「け……謙信……さまっ?」
「唇に口付けするのを辞める代わりに耳に口付けする事にする」
「ちょっ……まっ……ンンッ……」
腰の辺りがぞわぞわとするよ
耳は……だめ……
「可愛い声で啼くとは……」
「っ……だ、ダメ……ですっ……んあっ!」
「もっと俺に溺れろ……かおる」
「ンッ……」
言われなくたってとっくに私は謙信様に溺れてますよ
謙信様と愛の戯れが出来るなんて、夢を見ているみたい
私と謙信様はドラマのような熱い展開もなく、あっけないくらいに結ばれた。
それが平凡な日常なのかもしれない。
とは言え……平成に生きてきた私が戦国時代に来て、歴史上でも有名な人と恋に落ちるのは……
ある意味、平凡じゃないような気もするけど
そういえば、この時代に来てすぐに謙信様に言われた事を思い出した。
『世の理には偶然などない。すべての出来事には理由がある』
私がこの時代に来たのは謙信様と出会うためだったのかも知れない。