第12章 あなたと永遠に……謙信side5
横抱きにしてそのまま俺の部屋に連れてきて褥に横たえる。
「あの……謙信様……?」
戸惑うかおるを上から見下ろしている俺はどんな顔をしているんだ?
もっと触れたら胸に宿る甘くて熱い心地良さの正体がわかるのか?
頬に触れると手のひらが熱を持つ
この熱はかおるの熱か?
それとも俺の熱だろうか?
「……謙信様……」
俺を求めるかのように呼ぶかおるの声に胸の奥が焦がれていく。
頬に触れる手に力がこもる
もっと触れたい__
俺の中に湧き上がる欲求
それは今までの性的欲求とは違うような気がする。
女を抱く時、俺は自らの欲を解き放つだけで良かった
でも、今は違う
かおるに触れていると甘い高揚感に包まれていく
この甘い高揚感は嫌いではない。
自分の中に訪れた甘い高揚感
これが
「……好きという感情か?」
「え?」
呟いた言葉にかおるが目を見開いて反応をしていた。頬を染め嬉しそうに微笑みを浮かべ俺を見つめてくる。
「謙信様……今……好きって?」
「好きでもなければお前に触れたいとは思わないであろう?」
「っ……」
口をついた言葉で俺は実感した。
そうか、俺はかおるの事が好きなのだ
いつからか__
それは定かではない。
気付かぬうちに好きになっていたのかもしれん
信玄がかおるに贈り物をしたのが気に入らなかったのも、かおるに触れる信玄を斬りたくなったのも……
かおるが俺にとって大切な存在になっていたからであろう