第11章 あなたと永遠に……7
謙信様とうさぎ
ミスマッチのような組み合わせ
でも、うさぎを撫でる謙信様は目を細め柔らかに微笑んでいる。
声をかけたら壊れてしまいそうな雰囲気
私は、ただ黙ってうさぎと戯れる謙信様を見つめていた。
どのくらい見つめていたのだろう?
ふと気付くと謙信様と視線が交じり合っていた。
「っ……」
謙信様の色違いの瞳が私の心を捕えて離さない
「そんな所で何をしている?」
「さ、散歩です……」
「こんな夜更けにか?」
「眠れなくて……」
「こっちに来い」
謙信様の声に引き寄せられるかのように私の身体は、躊躇することなく謙信様の隣に座ってしまう。
胸がはり裂けるそうなくらいに苦しい
でも、この苦しさは嫌な苦しさじゃない
とても甘い苦しさ
息を吸うのも忘れてしまいたくなるくらいに謙信様を見つめていたい
「何故そんな大きな瞳で見つめる?」
「すみません……つい、見惚れてしまって(私ったら何も馬鹿正直に言わなくてもいいのに)」
「見惚れるほど兎が好きなのか?」
「え?」
「ん?」
「うさぎ……?」
私と謙信様……
話が噛み合っていない?
……噛み合っていないよね?