第7章 あなたと永遠に……5
うわぁ……賑わってる。
やっぱりお祭りで人が賑わうのはどの時代でも一緒なんだ。
境内の中には所狭しと言わんばかりに出店が出ているし、行き交う人達は皆笑顔。
見ているとなんだか私まで心が浮き足だってくる。
それにしてもいろんな出店が出ているみたい
「あ!」
金魚すくいもある!
懐かしいな
小さい頃はよくやったもんね。
(下手くそすぎて一匹も取れなかったけど)
樽の中を悠々と泳いでいる金魚をしゃがみ込んで眺めてしまっていた。
「やるのかい?」
にこにこと笑いながらポイを差し出してくれるおじさんには申し訳ないけど、お金を持っていないと言うと
「可愛いお嬢さんには1回めは無料だよ」
と言ってくれた。
可愛くはないんだけど__
そう思いながらも、おじさんの好意を受け取った。
「さて……どの子にしようかな?」
ポイを金魚の上にかざすと一斉に逃げていく
……いつもそうなんだよね
まだ、ポイをいれる前なのに
私ったら金魚に嫌われているのかしら?
必死になって逃げる金魚をポイで追いかけるんだけど、ポイの影に反応してしまうみたい。
隅の方に追いやって退路を断ってやろうかな?
(そうすれば絶対に捕まえる事が出来るよね?)
ポイの影を利用して隅の方に一匹だけ追い込んだ私は、一気にポイを水面に入れようと近付けていった。
結果は__
「……逃げちゃった」