第5章 あなたと永遠に……4
「あの……謙信様?」
「間抜けな顔をしている」
「間抜けって……」
「お前を見ていると退屈しない」
ふっと表情を和らげる謙信様の色の違う瞳に吸い込まれてしまいそう
呼吸をするのを忘れて魅入ってしまう私。
このまま時が止まってしまうんじゃないかと思うくらいに私も謙信様も動かない
ふっと空気が動いたような気がした瞬間、私の口元に何かが触れた
それは一瞬の事で私の勘違いかもしれないけど、謙信様の舌が私の口元に触れたような__
「……やはり甘い物は好きになれん」
「いま……」
「お前の口元にあった餡子を舐めてみたが、甘すぎて俺は好かん」
「っ……」
一気に頬が熱くなる
ううん、頭まで熱くなって考えがまとめられない。
謙信様が私の口元の餡子を?!
な、舐めた?
「ずいぶんと顔が赤いがどうした?」
「ど、どうしたって……わ、私の唇っ……」
「唇?」
「な、なめっ……」
「ん?」