第5章 あなたと永遠に……4
「幸村さんがくれたお饅頭ですけど」
「……饅頭は好きなのか?」
「え?」
「好きなのかと聞いているんだが__返事は?」
「す、好きですっ」
なんか尋問されているような怖さがあるというか……
背中に冷や汗が流れる
「では食え」
「ん?」
私の手からお饅頭を取り出して、口に押し付けてくる。
はためから見たらこれってラブラブカップルがするやつ?
(でも!!これは違うよっ)
無表情な謙信様は綺麗で威圧的
でも、思わず見惚れてしまいそうになってしまう。
「早くしろ」と急かされて私はお饅頭にかぶりつく
「あ……美味しい……」
ほっぺたが落ちてしまうんじゃないかしら?って思うくらいに美味しい。
餡子の控えめな甘さが、もっと食べたいと思わせてくれる。お饅頭の皮にもほどよい塩気が効いていて餡子の味を引き立たせている。
「うまいのか?」
「はい!……とっても」
さっきまで強張っていた頬が、自然に緩んできちゃう。美味しい物を食べたら人間は幸せになれるもんなんだね。
お饅頭の味を堪能している私を謙信様は、不思議そうに見ているんだけど
(そんなに変な顔をしてた?)