第4章 あなたと永遠に……3
紅がついた小指が、私の唇をゆっくりと縁取っていく。
それはまるでキスをしているかのような気がして、胸に甘くて切ない痛みがはしる。
恥ずかしいから瞳を閉じたいけど、閉じてしまったらキスを待っているように思われそうで閉じる事は出来ない
力が抜けたように半開きになっている唇
そこに指が触れるだけで、頭が惚けてきそうで……
だめ
気をしっかりと持たないと
瞳を閉じてしまいたくなる
「うん……上手く塗れたな」
ぬれた?!
(一瞬、違う意味にとってしまった……
私のバカ!!)
「とっても似合う」
満足そうに微笑む信玄様は、いつもと変わりない
これくらいの事じゃ動揺なんかしないんだ
やっぱり大人なんだ
私だけドキドキしたり焦ったりしてバカみたい……
「ん? 誘ってるのかい?」
「え……」
「ずいぶんと色香を放っているね」
私の頬を包み込むように手を添えられてしまい、身動きが取れずに固まってしまう。
信玄様の大人の色香に流されてしまいそう
瞳を閉じようとした瞬間
「……何やってんの?」
「?!」
少し目を見開いて立ち尽くす幸村さんの姿に心臓が止まりかけてしまった