第25章 あなたと永遠に……17
「生きていくために俺たちは命を奪って食しているだろう。それと何ら変わりない事だ」
「違う!それとこれとは別だよ」
「一緒だ、かおる。全ての生き物は食の連鎖から成り立っている。食って食われて、人間だけが食われないだけだ」
そうだけど……
「かおる……辛いのはわかる。出来る事なら俺が変わってやりたい。何人もの命を奪った俺なら何の痛みも感じる事なく飲めるだろう」
「……謙信様」
「かおる……俺に出来る事はかおるに血を与える事だけだ。お前を手放したくない」
冷たい顔じゃない
私を見つめる目は慈愛に満ち溢れているじゃない。
謙信様は全てで私を愛してくれている。
人間じゃないと嘆く私に生きろって言ってくれている。
改めて心に響いてくる
謙信様の深い愛が__
でも、それでも……
「謙信様……私は私らしく生きたいんです」
「かおる……元の時代に戻るか?佐助もかおるを元の時代に戻れるように動いているぞ」
「戻りません」
「ではどうするのだ?」
謙信様……
ごめんなさい。
私の最初で最後の我が儘はあなたを傷付けてしまう。
それでも私は謙信様を愛しているから
どうかお願い
私の我が儘を許して