第9章 月島夢05
「ツッキー、天崎さんが心配だったみたいだよ。『天崎サンはあんな薄着で何ふらふらしてんの?風邪引く気なの?』って。で、誰かに借りようかなって言ってるの聞いてすぐ上着脱いでたよ。」
素直じゃないよねぇ、と山口くんが言って私も笑う。
「そうだね、素直じゃないね。……あとでお礼言わなきゃ。山口くんも教えてくれてありがと。」
「ううん。…そろそろツッキーに怒られそうだから行くね。」
山口くんが行った後、手に持っていた月島くんのジャージに袖を通す。
「わ、やっぱりおっきい。」
だいぶ袖が余るからたくし上げたけど、それでも手の平にかかるくらい長い。
チャックを閉めたら裾も短パンが隠れるくらいに長かった。
それに月島くんが着てたからだろう、あったかいし………月島くんの匂いがして…何か、安心する。
………………やばい、何か危ないぞ私、そう思ってマネージャーの仕事に集中しなきゃ…!と頭をブンブン振る。
「清水先輩、ボール取ってきます!」
「うん、お願いね。」
よし、寒くなくなったし、今はマネージャーの仕事をちゃんとやらなきゃ…!