第7章 西谷夢01
西谷くんはあんまりクラスの女の子達に人気がない。
勿論、明るくて元気でちょっとお調子者ではあるけど優しいから人間的な意味では凄く人気があるけど…恋愛対象としては見れないよね、ということ。
まぁ、確かに背は高くないし、馬鹿騒ぎしてる姿は子どもだなぁと思うけど………
「凄く格好良いのになぁ。」
ボーッと西谷くんを見ながら呟く。
レシーブしてる姿なんてかなり格好良いと思う。
それに誰よりも心が広いし、言うことかなり男前だし。
…だから私は西谷くんのこと恋愛対象として見れるし、実際好きなんだけどなー……と考えていたら横から声をかけられた。
「誰の話?」
「っ、き、聞こえました…?!」
ロボットの様に首を動かす私に清水先輩はくすくす笑う。
「うん、結構しっかり。…誰が格好良いの?西谷?」
あっという間に顔が熱くなる。
清水先輩は楽しそうに笑っていて、私はあわあわとするしか出来ない。
「う、あ、な、何で分かっちゃったんですか…?!」
「だって柚季ちゃん、暇な時は西谷のこと見てるし、ドリンクとタオルを必ず渡してあげてるもの。」
「………うわあああ…分かりやす過ぎですね、私…。」
ちょっともう、物凄く深い穴を掘って埋まりたい気分…。
恥ずかしくて死ねる…と思ったところで烏飼監督が休憩の号令をかけた。