第2章 兄×6は、私に対して反抗期の頃がありました。
「瑠璃どうしたの?考え込んじゃって」
中学生時代の思い出から現実に戻ると、中学の頃と比べたら随分大人になったトド松兄さんが私の顔を覗き込んでいた。
『いや、反抗期…兄さんたちこそって思ったけど…』
「十四松とトド松と俺は瑠璃に反抗期なんかなかったでしょ」
そう、一松兄さんの言う通り、私の目の前にいる3人の兄は反抗期がなかった。反抗期があったのは、上の3人…。
『うん…むしろ助けてもらってたね…』
上の3人に反抗されたら、下の3人に泣きつき…。今なら反抗されたとしても、はいはい思春期でしょ〜で済むんだけど、私もお年頃だったから結構傷ついて…。私もある意味思春期だったんだなぁ、と思うと恥ずかしい。
「あの頃はさぁ、『兄さんたちにまた無視された…ッ』って僕たちに泣きついてくれたのすっごく可愛くて兄さんたちに感謝してたよね〜」
「そーそー!!」
「また泣きついてきてもいいからね『一松兄さーん』って」
「うんうん!!」
中学生時代には頼りになったこの3人の兄も、今では私のことをいじり倒すクズ兄になってしまい…。
「ちょっと、なにその目」
「まぁその目にも慣れましたけどー!」
「いいね…その目…」
『あーもー、はやく部屋から出てって!!!』