第5章 無血の花嫁(ルフィ)
バオブ島のキラウィたちは、その後も島に訪れる恋人たちを祝福し続けた。
そして、麦わらの一味もまた、常に時代の渦の中心であり続けた。
時は流れ、世界中にある大きなニュースが駆け巡る。
“ついに、一人の男が海賊王の称号を手にした!”
新・海賊王には常に寄り添う女性がいた。
それは、“無血の花嫁”と呼ばれた女海賊。
彼女はその不思議な力で、一切の暴力を振るうことなく敵を圧倒していったという。
彼女の戦い方を、ある者は“踊っている”と表現した。
その仕草で人を魅了し、戦意を喪失させる。
また、ある者は、彼女と関わった人間は必ず幸福になると言った。
しかし、誰もが口をそろえてこう言ったという。
「海賊王に相応しい女性」だと。
それはもう少し先の話───
第5章 『無血の花嫁』 Fin.