第11章 雨の味
それからホテルに向かい、各々の部屋へと戻った。
「何しよ…」
これといって特にすることもなく、ただただボーッと過ごす。
ピンポーン。
インターホンが鳴ったけど、慌てずにのんびりとした動作でドアまで向かう。
ガチャッ、とロックを開けると俺がドアを開けるより先に向こうがドアを引いた。
「やっほー、入っても良い?」
「いいよ」
押しかけて来た相葉ちゃんを招き入れた。
「相葉ちゃん呑んでる?」
「まだ呑んでないよ。
リーダーと呑もうと思って我慢してたの。
お酒ある?」
「缶ビールなら多分」
「じゃあそれちょうだい」