第9章 以心伝心
「だってチョコが1番ロマンチックでしょ?」
「そうだね」
「しょーくん」
チュッと唇が重なったと思ったら、すぐに離れた。
「どうしたの?急に」
智くんからしてくるなんて珍しい。
「なんかしたくなっちゃった」
恥ずかしそうに目を逸らす。
「目逸らしちゃダメ。
ちゃんと俺を見て」
グイッと顎を掴んでこっちを向かせる。
「恥ずかしいよ…」
語尾が小さくなるけど、顔は隠そうとしない。
口が開いたままの無防備な智くんに口づける。
俺が顔を少し傾け、唇同士をつけるよりも先に舌を滑り込ませた。
「んっ…‼︎」
びっくりしたように固まっている舌を見つけると、絡め合う。