第7章 頼りの味
カラオケに着くととりあえず2時間入れた。
「潤、飲み物何にする?」
完全に2人きりになると翔くんの呼び方が変わった。
そんな些細なことでも嬉しくて、つい頬が緩んでしまう。
何度言われてもイイよな。
好きな奴に名前で呼ばれんのって。
「んー、じゃあコーラで」
変にときめいてるのを悟られないよう、平静を装って答えた。
「コーラね。
俺はオレンジジュースにしよっかな」
オレンジジュース?
「そりゃまた…可愛いね」
「可愛くないってば。
メニュー見てたら、なんか久しぶりに飲みたくなっちゃってさ」
子供っぽい?と恥ずかしそうに尋ねる翔くん。
「人の目なんて気にしなくて良いだろ。
どうせここには俺らしか居ないんだし。
翔くんの好きなようにして良いよ」
元々俺に止める権利なんてねぇけど。