第3章 矛盾の味
「面白いところ…と、声。
和の創る歌…」
残すは1つだけ。
「つまり、和の全部が好き。
ううん…大好き」
耳まで真っ赤にして告白する。
最後は翔さんらしく落ち着いた声色だ。
全く…。
「…ヘタレの癖に言うじゃないですか。
俺は愛してますよ」
最後に唇にチュッとキスをして、離れる。
「あ…」
翔さんの口から名残惜しそうな声が漏れた。
「俺も…愛してるよ」
それを隠すかのように言葉を紡ぐ翔さん。
本当に可愛い。
可愛いからイジメたいのに、可愛いからイジメられない。
矛盾してるな、俺って。
自分の身勝手さに人知れず苦笑を漏らした。