第2章 甘い言葉の味
「ねぇ!ちょっと待ってよ、大ちゃん!」
同時に楽屋を出た筈なのに、ずっと先を歩く大ちゃん。
スタスタと1人でどんどん歩いて行ってしまう。
「ねぇってば!」
追いかけて行き、グイッと腕を引っ張りこっちを向かせる。
「…何?」
「それは俺のセリフだよ、何怒ってるの?」
先を歩いていた大ちゃんの背中から感じ取れたのは怒り。
「別に」
目を逸らされる。
「言ってくれなきゃ、分かんないよ…」
いくら大ちゃんのこと大好きでも、ちゃんと言ってくれなきゃ伝わらない。
「言っても良いの?」
「うん。
なんでも言って?受け止めるから」
大ちゃんの目を見て頷く。
「相葉ちゃんなんて知らない!」
「え?」
ちょっとどういうこと?
理解出来ないんだけど。
思ってもみなかった言葉に目を丸くする。