第24章 桜の咲く頃
謙信、信長、信玄の三者がにらみあう
側にいる政頼は、身を縮こませるのなか…
「ねー。いこー!湖、おなかすいたー。さくらさまの おいしいの のみたーい」
白粉に抱えられた湖は、場の空気など関係なく三人の方に声を掛けるのだ
「にーたんたちも くるの?さきちさんと、じゅーべーさんも?」
「ご一緒してもよろしいでしょうか?湖様」
「そうだな、一緒に行くとしよう」
三成と光秀が小さな湖に声を掛けると、湖はにっこりと笑いながら
「いいよー。でもね…」
と、次に恐ろしいことを口にする
「さくらさま、おこったら こわいよー。たべちゃうんだって いってた。まるのみ だって。おめめ ぎょろっとして おにさんの おかおで おこるから、きをつけてね」
と…
「湖…そんな話は初めて聞くぞ」
信玄が、湖に問う
「え?そーだっけ?にーたん?」
「…初見は驚くかもしれませんが、刀は絶対に抜かないでください」
「絶対に束にも手をつけるな。何なら、此処に刀を置いていけ…この人数、保証はできん」
きょとんとする湖に、遠い目の佐助、それに少し考えて口を開いた白粉
一体この目に何が映るのか
それは誰もが想像しないものだった
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さて、ページ数が多くなってきたので
湖ちゃん6歳編は、章を変えて書き続けます
<予告>
登竜桜の元に訪れ、約束通り六歳になった湖
その身は春日山城に置かれ、信玄と白粉に見守れながらすくすく成長していきます
六歳といえば、幼稚園年長さんから小学校一年生
自分の考えで行動し始め、親に隠れてこっそりいたずらをし、人と比較して悔しがる姿を見せるようになったり、初恋があったり…色々心も成長していきます
そんな一ヶ月を書いていきます