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【イケメン戦国】私と猫と

第21章 一線を越えた男


布団から出たくない時期
それは、もちろんこの時代にもある
しかも、ここは戦国時代エアコンや床暖などはもちろん無い
だが明け方、女中が火鉢に火をくべ部屋を暖めてくれる
湖はこの時代で初めて過ごす冬の寒さを我慢していたがとうとう3日前の夜、寒さで眠れなくなり寝具の羽織を夜着(綿入り羽織り)へと変えてもらった
それでも寒くて丸まって寝ていれば、その様子を見た政宗が笑いながら鈴が使っていた湯たんぽを思い出して探し出してくれた
それで足もとはぬくぬく、ようやく眠れるようになった

そんな日の朝

「湖様、湖様・・・困りましたね・・・湖様、そろそろ起きてくださいませ」

馴染みの女中がいつものように、湖を起こしに来ていた
声をかけ始めだいぶ立つのに、夜着にくるまって湖は顔すら出してこない

「なんだ・・・またか?」
「あ、秀吉様」
「はぁー・・・ったく・・・いいぞ、俺が起こす」

湖の姿を確認出来ずにいる
そう考えれば、いつものことだ
おそらく女中が起こすのに苦労しているのだろう
そう思ってきてみれば案の定だった
女中は一礼し、秀吉にその場を任せると部屋から出て行く

「おーい、湖―起きろー」

おそらく頭のあるであろう方に腰を下ろすと秀吉は夜着の近くで声を掛ける
もぞもぞと動く所を見れば、聞えてはいるのであろう

「湖、お前。今日は、御館様との約束で商人を招いた茶会に出るのだろう?」

ぽんぽんと、膨らみを叩く秀吉
だが、反応は見られない

「・・・いい加減起きろー」

返答無し

「・・・三成に食事を取らすのと同等の苦労だな」

苦笑すると、一息ついた秀吉は夜着を片手で掴んだ
そして、叩いた方を開けば・・・

「っ!!!」

バサッ!!

慌てて夜着を元に戻す
それと同時に襖を開き部屋に入ってきたのは政宗

「秀吉、湖は起きたか?」


耳を赤く染めて黙って居る秀吉に気づき、その肩にポンと手を乗せれば、秀吉はそれで政宗に気づいたように驚いた

「な、・・・あ、政宗か」

向いた顔は、ほんのり赤い
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