第20章 私が猫で、猫が私 (裏:安土組全員)
「今更怖じ気づいても、もう逃がさねぇよ。俺を呼んだ時点で、こうなることはわかっていただろう?」
「・・・っ」
青い瞳に吸い込まれるように魅入る湖の手を羽織から抜き出すと、政宗はその身体の上を覆うように体制を変える
そして、湖の手首、薄い皮膚の上を熱い舌先でなぞった
湖はゾクリと身を震わせる
「ま、政宗・・・っ」
「身体があっても中身が鈴じゃ手を出すわけにいかないからな・・・むしろ、鈴のお前の方が気になっていた」
「なにを・・・?」
「・・・俺以外の奴に抱かれて、懐に入り込んでただろう」
「っ、な・・・人聞きの悪い言い方しないでっ、あれは鈴の身体っ・・・んっ・・・!」
未だ離されない腕、それとは別の手で肘を突き耳を撫で始める
その感触に、声が漏れてしまう
「どうした?」
「どう、したって・・・っあ、んっ・・ん・・・」
ふるふると伏せられる耳が、どんな刺激を与えているのか教えてくれる
掴んでいた手首の一部をきつく吸うと、其処に赤い花を咲かせた政宗は、湖の様子に満足そうに微笑む
「ずいぶん感度の良い耳だな」
上がけの羽織からでた尻尾がもじもじと動いているのが目に入った
「だめ・・・だよ・・っ、これ触れられると・・・変になる・・・」
上目遣いで涙を浮かべ自分を見つめる湖に、政宗の心拍が少し早まった
「なら・・・どう変になるか、試してみるぞ。ここに居るのは、俺とお前だけだ。恥ずかしがる必要も無いだろう」
「え・・っ、ふぁ、ぁんっ」
そう言っただと同時に、耳をカプリと口内に含み舌先で触れ、もじもじ動く尻尾を捕獲するとその毛並みを撫でるように手を動かし始めた政宗
そんな彼の着物を掴むと、その愛撫をどうにか逃がすように目を瞑って湖は耐えている
「湖、目・・・開けろ」
「だって・・・んっ」
まぶたに口づけを落とせば、薄らとその瞳が開かれる
「そうだ・・・俺を見てろよ」
「まさ・・むね・・・」
「・・・良い子だ」
くちゅ、
お互い吸い付くように、その唇を寄せ合って重ねる
その間も政宗の耳と尻尾への愛撫は止まらない
組み敷かれ、囲まれている身体は小さく動くことしか出来ず、ふるふるとその場で震え出すだけだ