第17章 かごの中の鳥(裏:政宗)
ベチッ
抱きかかえられて支えられる腰とは、別の手でおでこを叩かれきょとんとする湖
「仕置きだな・・・」
「へ・・・?えっ・・・」
政宗の「仕置き」のワードは、毎度毎度湖を甘い底なしに落とす危険なワードだ
湖は、急に出てきたこの言葉に驚き
そして、これから行われるであろう行為に頬を染めた
「ああ、期待させたか?じゃあ、答えてやる」
政宗の口角が上がる
意地悪な笑みを浮かべて
「ま、政宗。今まだ・・・お昼で・・」
「それが何だ?お前は療養中で、問題無いだろ」
「いやいやいや・・・っ!政宗、勤務中でしょ?!」
ますます灯り出す頬の赤み
「あとは、御殿に戻ってからだ。問題無い」
「っ・・・私はあるっ!こんなに明るくてっ・・・」
「明るくて、仕置きしがいがあるな」
つらっと、政宗はそのまま湖の部屋に入り湖を抱えたまま、後ろ手で襖を閉めた
「ここ最近、忙しなかったが・・・お前は事が落ち着いて丸一日寝てた。体力余ってるだろ、付き合ってやる」
「っ・・・!」
色香のある瞳が、目と鼻の先に存在する
そんな瞳で物事を言われると、湖は言うことを聞いてしまう
政宗もまたそれにはうすうす気づいていた
どんなに嫌だ、恥ずかしいと言っても、湖は政宗が求めれば受けいれるのだ
「嫌か?」
(本気で嫌なら止めてやれる)
「・・・嫌じゃ無い・・・でも、恥ずかしいよ・・」
(触れたい。でも・・・明るすぎて・・・恥ずかしい・・・)
湖の反応を見て、お互い気持ちが高鳴っているのを確認すれば、湖を下ろすと、自由になった手で政宗は懐から手拭きを取り出した
そして、それで湖の目を覆った
「なら、これで見えなくなる。恥ずかしくないだろ」
「え・・・ちょっと・・」
きゅ・・・
後ろで結べば、湖の視界は白くなんとなく政宗が立っている位置が影で黒く見えるだけだった
「違うよっ、見られるのがって意味で・・・これじゃ意味ないよ、むしろ政宗が・・っ、ひゃん・・・!!」
抗議をしている内に、政宗の気配を間近に感じると首筋をなめとられ、驚きにバランスを崩す湖
しかし、その身体はしっかりと政宗によって支えられている