第17章 かごの中の鳥(裏:政宗)
堺での事が収束し、無事安土城に戻った一行と弥助
弥助は、信長に忠実でよく使える存在となっていた
そんな弥助に、すれ違うと湖はにこりと笑って手を振った
弥助も、黒くてよく解らないが頬を染めているようにも見えた
「ハンナさんと、エルマーさんが逝ってから・・・3日か・・・」
即戻った安土城
湖は、眠ったまま戻ってくることになり、待機していた秀吉や家康をかなり心配させた
家康は「別に・・・」と言うが、政宗が湖に後で教えてくれた
異変もないのに起きない湖を、ずっと側で見守っていてくれたのだと
湖が目を覚ましたのは、翌日
まる1日眠っていた事になる
起きた時に側に居たのは、家康だ
異常が無いか調べられたのち、信長達から事が終わったのだと知らされた
ハンナに迎えられるように、息を引き取ったエルマー
ヤスフェは、弥助と名を改め信長の家臣になっていた
病み上がりという理由で、女中の手伝いをさせてもらえない湖は暇をもて余していた
部屋を出てすぐの板張りに座り、庭の方へ足を放り出しぶらぶらと
頭を過るのは、自分にそっくりな顔のハンナ王女のことだ