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【イケメン戦国】私と猫と

第15章 攫われた姫 (裏:政宗、謙信)


ぎゅうと足を掴むように腕を回し、もう小さくなれないだろうと思うほどにまるまる湖の姿
髪の間から覗く耳や首は、これ以上に無いほど赤く火照っているようだ

「な・・・なに、するのっ!」

怒ってはいるが、顔を上げない湖

「あ・・・」

政宗は、自分の引き抜いた着物をその場に捨てると、湖が取りに行こうとしていた着物を持ってきて、それを頭の上からかぶせるように覆わせた

「・・・」
「・・・」

そのまま、何も言ってこない政宗に湖は掛けられた着物で身を隠しながら少しだけ政宗の居る方向に顔を向ける

「ま・・・政宗?」

政宗は、無表情なまま湖を見ている
そんな様子に、不安を抱き湖は政宗に向き直った

「・・・気に入らなかった」

ぽつりと出た言葉

政宗からでた言葉に小首を傾げれば、その頬を捕らえるように伸ばされる政宗の指先
政宗の手の温もりが、湖の頬に伝わったころ
次の言葉が出てきた

「男の着物・・・」

今度は、ぼそりと聞き取れるか取れないか程度の声だ

(男の着物・・・さっき、羽織っていた佐助くんの着物の事だよね・・・え・・・?)

「・・・政宗・・・やきもち??」
「やきもち・・・だと?」

疑問に疑問で返される湖
その目には、政宗が映っている
映っている自分の姿を政宗は睨むように見た

(・・・確かに・・・ずいぶんかっこ悪い顔してるな・・)

一度、湖の瞳から目をそらすと
右手の平から伝わってくる湖の頬の温もりを感じながら、少し息を着く

(すこし・・・しゃくだが・・・)

「そうだな・・・やきもちだ」

そう素直に湖に伝えてみる
すると、伝わってくる体温が少し上がったように感じる

湖は、このストレートな反応をする政宗に胸が高鳴って止まらない
かっこ悪い姿を見せようとしない政宗
常に、余裕のある顔を見せているのに
なんで、着物を羽織っていたくらいで、そんな表情を見せるのか
なんで、そんな風に頬を染めて・・・

「可愛い、政宗」

クスリと笑って政宗の手にすり寄るように頬を寄せる

「っ・・・」

それに政宗の手がぴくりと反応を示した

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