第14章 化け猫と私【後日談】 (表:信長・秀吉 裏:他四名)
「み、光秀・・さんっ」
目の前にいる光秀は、意地悪そうに微笑んでいる
「やっと起きたか?やはり政宗の言った通り、起こすのに一苦労するな」
そう言われて視線を下に下ろせば、寝衣は広げられ素肌が見え、先ほど感覚が事実であるとでも言うように太ももに蜜が伝っている
がばりと起き上がると、湖は急ぎ寝衣を合わせる
合わせた際に、光秀の羽織りも目に入る
(あ・・・そうだ・・待っていて、そのまま眠くなって・・・光秀さんのを借りたんだ)
結局、羽織って眠ってしまった湖
それがまだ袖を通しているということは、光秀が褥に移動してくれたことには間違いがなさそうだった
「あ、ごめんなさいっ!羽織り、皺になっちゃう!」
そう言い、羽織から袖を抜き始めた湖に光秀は目を見開いて一瞬固まる
そして、吹き出すかのように笑い出した
くっ・・!くく・・っ
まるで、笑いを堪えるように
「なっ、なんで笑うんですか?!」
「くくっ・・・なぜ?など・・・お前がされた事を怒る前に、人の羽織を気にするからだ・・・くくく・・・」
あまりにも、光秀が笑いながら話すものだから、湖は怒るよりその姿をじっと見てしまう
ようやく笑いが治まってきた光秀は、湖の様子に気づき
「なんだ?」
と聞く
「光秀さん、そんなふうにも笑うんですね」
「・・・お前は、俺をなんだと思っているんだ」
湖が、脱いだ羽織からは湖の香りが漂う
それを確認するかのように光秀は羽織の一部を掴んで引いた艶めいたその動作に、湖の頬が染まる
「っ・・・お洗濯して返しします」
「いい。それより、怒らないのか?」
「っ、怒りますよ!や、やめてくださいっ、寝てる人で遊ぶのっ!」
「気持ちよく起きただろう?」
「っなっっ」
絶句というように、真っ赤に染まった顔に半開きの口
光秀は、それに構わず湖を引くと薄く開いた口から舌を忍ばせ深い口づけをするのだ
「ん、んンっ」
湖は、光秀の胸に両手を突き押しのけようとするが、ぴくりとも動かない光秀
「んっ、あ・・っ」
やがて、口内を探る光秀の舌に翻弄され力が抜けてくる
突っ張っていた両手は、いつの間にか彼の着物を握り閉めされるがままに
つっー
互いの唾液が、互いの唇から伝う