第14章 化け猫と私【後日談】 (表:信長・秀吉 裏:他四名)
気を失ってしまった湖に対して、自分の其処はまだ脈打つように熱い
それでも、そんな状態の湖の身体を使うわけには行かず、家康は湖を軽くただ抱きしめると深呼吸し、自分を鎮めようとした
その度に、湖の香りが漂う
(・・・駄目だ・・・静まらない・・・)
「・・・どうしてくれるのさ、湖」
未だ湖の中にいる其処に、温かさが伝わってくる
時折、きゅうきゅうと収縮する気持ちよさに小さな笑いを浮かべ
「怪我が治ったら、苛めるからね・・・」
ぽつりと、湖の耳に落とされた言葉
ぴくりと反応を見せる湖
褥の横に落ちた鏡がきらりと光った