第4章 眠りの森の (裏:三成、光秀、秀吉)
(まず、佐助くんに言われたことを思い出して…)
「鈴が起きてるときに走るのは危険…」
(でも、起きてる寝てるって…どうやったらわかるかな?)
試しに呼んでみたが返答がない
(これって、寝てるって事かなぁ…)
「猫が好きそうな…興味を引きそうな場所も危険」
信長の部屋は猫にとっては屋根も近いし危険そうだと思った
「鈴が好きなものは…抱っこと高いところ、狭いところと、鰹節くらいかなぁ…苦手だったのは犬と尻尾…」
ぶつぶつ独り言を話していると、外から声がかかった
「湖、いいか」
「あ、はい」
返事をすると襖を開け、光秀さんが入ってきた
「どうかされたんですか?」
「時間ができたのでかまいに来てやっただけだ」
(?)
「鈴」
「…?光秀さん?」
光秀が鈴の名を呼んだのを怪訝そうに伺っていると
手が伸ばされ右手を引かれた
チリリンと音がなり湖の体は光秀に近づいた
「?!…危ないですよ!」
右手を持ったまま、反対の手で湖の首を撫でるとぴくりと反応したのを目を細め見ていた
「!なんなんですか…!」
首を押さえながら怒るが、首を撫でる指は微かに触ったり摩れたりと動く
「…んぅ…」
甘い痺れが体に走ると、光秀はその様子を見て満足そうに笑いながら耳元で再度鈴の名を呼んだ
「っ!や…はなし…っふ…あぁ」
「ずいぶん甘い声で鳴くな、鈴…」
ゾワっ毛が逆立つような感覚
すると、みゃーんと甘えた声が聞こえるとプツリと湖の意識が途絶えた
「…鈴」
リンリンと、鈴の音をさせ首を刷り寄せる猫を抱き上げる
にゃーん
「お前はやはり美しい猫だな」
オッドアイを覗きこみ喉をなでその場に座った
隣には湖が着ていた着物が落ちている