第12章 私を待っていた彼は（裏：安土組全員）

だが、返答はなく
三成は後ろ襟に指を入れるとぐいっとそれを引く
衣擦れの音をさせながら、襦袢と着物が引かれ、背中に涼しい風があたった

「･･･っやぁ」

三成は、着物を引きながら徐々に見えてくる赤い花に眉を潜めている
腰のあたりまで湖の素肌がさらされれば、覆い被さるように身を屈め、湖の首後ろ･･･一番上の花の上に口づけを落とす

ちゅぅ･･･

軽く吸うような口づけの音
そして素肌に感じる三成の熱に、湖は反応を見せる
上から跡をつけ返すわけでもなく、その跡に軽く落とす口づけ
湖の身体がふるりと、震え
耳や首に赤みが増すのが目に入る

「み、みつ･･･なりくん･･･っ」
「はい」

ちゅ･･･

「っ･･！あの･･･何を･･･」
「手当ですよ」

ぱくんっ･･ちゅぅ

「っ･･･手当ってっ･･･」
「･･･お伝えするつもりは、無かったのですが･･･湖様の背中に、所有物であるかのように跡を残された方がいるんですよ」
「跡･･･？」
「はい･･･ここにも」

ちゅぅ･･、ちゅっ

「っ･･？！」
「赤い花が･･･」

三成の言う赤い花、所有物
そのワードから、湖が思いついたのはキスマーク
でも、そんなものつけられた覚えはない
腰下に手を当てられ、おしりに掛かって着物に手が掛かった際
湖は、今までに無く大きく動いた

「まっまって･･･っ！そんな事された覚え･･ないよっ！」

バタバタを動き始める湖
三成は上から身を避け、湖の横に座る
湖は、身動き出来る状態になると身をかがめ、着物を併せて真っ赤な顔で三成を見た

「あと1つ、湖様にもお見せします」

そんな湖にお構い無いかのように、三成は起き上がった湖の片足を引き持ち上げる

「きゃっ･･･」

急なそれに、湖は片手を着物の袷に、もう片方の手で身体を支えるように後ろに付いた

着物を足の付け根までめくり上げ、内股に手を掛ける

「やっ、やめ･･･っ！」

そして、内股を捻るように回せば、湖の目に赤い花が入った

「っ･･え･･･？」
「見えましたか･･･？これが、背中に多々咲いていました･･･」