第12章 私を待っていた彼は（裏：安土組全員）

「政宗･･･っ好き･･･」

「好き･･･好き･･大好き･･･っ私を･･･迎えに来てくれて･･ありがとう」
「当たり前だ･･･やっと言ったな」

くるりと、体制をかえると湖を仰向けにし、政宗はその上に
両手で自分の体重を支え湖と顔を合わせると笑って見せる

「･･･自信満々の顔･･･」

泣きながら笑う湖は、綺麗だと政宗は思った

「違う。お前に告白されて、嬉しい顔だ」

フッと、笑えば湖は「ふふっ」と小さく笑った

「ずいぶん、姫らしい笑いだな」
「･･･ずっと姫扱いされてたからかも･･･兼続さんが、ずっと「姫姫」呼んでて、謙信さまも･っ」

口を手のひらで覆われ、止められる

「こんな時に、他の男の名前を出すな･･･これは･･･仕置きだな」

『仕置き』という言葉に、ビクリと身体を強ばらせる湖

（以前の事を思い出したか･･･）

満足そうに笑みを浮かべ、湖の唇を奪えば
戸惑いながらも、それに答えるような動作をする

（･･･あぁ･･･食っちまいたい･･･）

「食いたい･･･」

ぼっそと、声に出てしまう

「っ･･･、･･･優しく･･･してくれる･･･？」

まさか、そう返してくると思わなかった政宗は頬に熱が灯るのを感じた

「っ･･･無茶言うな･･･」

口づけが深くなる
口内を探るように、舌を絡ませ、歯茎を沿うように舐めとる

「っ・・・ぅん･･」

急速な口づけに溺れないように、湖は政宗の着物を強く掴んだ
政宗は、湖に口づけしながら、帯を抜き取り、着物の袷を開く
それだけで、湖の香りが濃くなる気がした

肩肘を褥に付き、少し体重を湖に預ければ、心地のいい体温が伝わってくる

「湖･･･」
「ぅん･･･」

自分の帯も取ると、政宗の胸板が現れる
筋肉のついた男らしい胸板に、湖が頬を染める

「どうした？･･･見惚れたか？」
「･･･だって、はじめて見るんだもの･･･」
「は？」
「･･･前は着物着てて･･」

言っていて、湖は恥ずかしくなったのか口を閉ざし横を向いてしまった
政宗は、少し考えると、湖の言っていることを理解する