第2章 目覚めの一日
湖に意識が戻ったのは、それから20分後ほど
「んん…」
「起きたか」
上から声が聞こえ見ると
「信長…さま?」
信長の顔が見えた
どうやら自分は彼の腕のなかにいるようだと、湖はうっすらとそう思いながら声を出す
「…私、寝てましたか?」
まだうまく頭が回らない
「覚えてないのか?」
「?」
だんだんと目が冴えてくると、ようやく自分がどこに座っているのか認識でき、急ぎそこから出ようと立ち上がる
だが、やけに涼しいした感覚に覚えがあり確認すると…
「○×□■☆◎~?!」
ガバッと着物を前にかき集めしゃがんだ
「今更隠さんでも、もうよく見た」
そう言われ湯気でもたつのではないかと思うくらい顔も耳も全部赤く染まった
「湖」
(もぅ…やだぁ…)
半泣きの湖に、ぽいっと投げられた枝
「これは何ですか」
「やはり、貴様には効かぬか」
「何の話ですか?」
気にするなと言い、信長は湖から顔をそらす
(この状態だと…また鈴に?でも記憶がない…っ)
「何している…さっさと着ろ…それとも抱かれたいか」
にっと色香を当てられ、湖はぶんぶんと横に首を振るのが精一杯
「き…着ます!」
「これをやる」
投げられたのは、私が現代から着て来た服
「この妙な服…もう一度着せてみせろ」
(この時代には不釣り合いだと思うけど…着物を一人で着る自信ないし…)
「わかりました」
湖が服をもって信長様の視界から外れた場所に行こうとすると
「何処に行く」
「え…あの…着替えに?」
「ここで着て見せろと言った。どうゆう仕組みか見たい」
(……)
言われた意味が解らず戸惑っていると、
「さっさと見せろ」
そう付け足された
「あの…目の前で着替えろと…?」
「他に何だと」
「む!むり、むり、無理です!!裸になれって事ですよね!?絶対出来ません!!」
五月蝿いとばかりに方耳を塞ぎ
「先程も見た。問題なかろう」
と面倒そうに答える信長
「っ、…でもっ!出来ません!意識がある時とない時と一緒にしないでください!!」
はぁーとため息が聞こえるが、返答は変わらない
「さっさと…」
「嫌ですーーっ!」
湖は叫ぶと、勢いよく襖を開け逃げていく