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【イケメン戦国】私と猫と

第11章 安土への道


宿に着き、安土城で待つ信長、秀吉に知らせを走らせれば、一行はようやく一息ついた
三成は、宿の者から茶と菓子、それに酒を分けて貰い皆の待つ部屋へと戻る

「お待たせしました」

部屋では、政宗、家康、光秀が座り談笑していた
湖は、その横に褥が引かれ穏やかに寝息を立てている
その湖に、ちょっかいを掛けながら政宗が呟く
頬を突きながら

「起きねぇな・・・」
「なに子供のような事をやってるんですか、政宗さん・・・」

家康がその様子を見て、ため息を零す

「やっと戻ってきたのに、寝てるだけじゃ話も聞けないからな」
「話・・・」

茶などを置いていた三成がぴくりと反応する
全員が気になっているのは、最後の信玄と謙信の零した「側室」の事だ
もちろん、記憶を失っている間の事も聞きたいが、今確認すべきはそれが「事実」か「嘘」か

「帰る前に確認する必要はあるな」

光秀が酒を飲みながら言えば、全員肯定するように黙った

「・・・ん?」

政宗が、湖の髪を手で梳いていたが、その動作がぴたりと止る
首の後ろに見えるものが・・・
まだ早朝のため、薄暗い部屋の中
蝋燭の明かりだけではよく見ない
襟元に指を差し込み、後ろに少し引くとそれは確かにあった

政宗から異様な雰囲気を感じ取り、家康が振り向くと、彼は寝ていた湖を抱え蝋燭の近く・・・四人の真ん中あたりに移動した

「政宗様?」

湖は寝たままだ
起きたわけでは無いのに、何があったのかと三成も近づいた
そして家康も

「どうかしました・・・か・・・」
「政宗さん、少し寝かせてやった方が・・・」

三成と家康の反応を見て、光秀もその場に寄る

「なんだ?」

政宗は、片膝を立て湖の顔を自分の胸のほうへ向け抱えている
蝋燭の明かりの方へは、湖の首後ろを照らすように
髪の毛を前の方へ寄せられ、白いうなじがよく見える
そして少し開かれた襟元からは、赤い跡が見えた

「・・・謙信の奴・・・」

政宗が、眉を吊り上げ怒りを露わにした表情を見せる

「・・・これだけじゃなさそうだな・・・」

上から立ってみてた光秀の目には、その置くにも薄い跡があるのが見えていた

「・・・っあいつ」

家康も苦虫を噛み潰したような顔をしている
三成は・・・
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